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June 23, 2008

「四畳半神話大系」(森見 登美彦)

大学入った時ってさ、ものすごい希望にあふれてるじゃん。楽しい友人に恵まれ、すてきな彼女ができ、毎日が刺激的なキャンパスライフ。校舎を出たとき目に入る沈む夕日。夕闇に溶けていくキャンパスの森をバックに彼女と二人恥じらいながら手をつなぎ…と、これから始まるであろう新しい生活にわくわくするよね。でも、いったい何人がそんな夢のような生活を実現した?ほとんどの男はそんな幻想を夢見つつ、夢見たまま卒業していくんだよ。そしてもしあの時こうしていたら、もしあのときあのサークルに入っていたら、って仮定法過去完了で大学時代を顧み、仮定法の中で妄想していく。たぶん昭和の大学生の男どもは大半はこんなもんだろう。いや、そうであってほしいね。モテ系不要。おれが学生時代、学校の近所の4畳半一間に下宿しているやつがいて、よくそいつの家
でこたつに入りテレビを見ながらぼうっとしていた。クラブで遊ぶ人種より、そういった奴らにおれは親近感を覚える。

「四畳半神話大系」、おれの鬱屈した大学生活を思い出され、懐かしくなった。昭和に大学生活を送った人は読んでみるよろしい。森見さん独特の遠まわしでひねくれた文体に最初は慣れなかったけど、読み進めていくうちに気にならなくなってきた。でもこの主人公、傍から見ると結構素敵なキャンパスライフ送っているんだよな。それがむかつく。

いくつかの短編で成っていて、一つ一つのエピソードがパラレルワールドになっている。そして形而上学的になっていき…後は秘密。

でもこれ読むと、やっぱ一人暮らししたかったなあって思う。

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