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April 15, 2008

「笑う警官」

札幌の街はマンハッタンのように碁盤の目になっていて、ほとんどの住所は南○東○というように座標で示される。だから地域に名前がない。たとえば○○町と言われれば名前からすぐにその街のイメージが浮かぶだろうけど、札幌の場合座標で場所が示されるから、その町名から呼び起されるイメージじゃなく、市内の中の位置が真っ先に頭に浮かぶと思う。この考え、どうよ?

つまり札幌は大体知らない場所でも住所でどのあたりか、そしてそこまでの距離の見当がつく。だから「南○西○から南X東Xへ向かった」と言われればすぐ頭の中の地図でルートをイメージできる。そう考えると、捜査物の話で舞台に札幌ってすごい向いているんじゃないの、なんて思う。(でも、これ書いた後、東京の人に聞いたら、逆に町名が無いから分かりにくいと言われた。なんだ…この説ダメか)

作者の佐々木譲は札幌出身。だから札幌の街並みに詳しく、この「笑う警官」でも住所による移動説明が頻繁に出てくる。他の都市の人がこれ読んでどこまで位置関係が把握できるかな。話は札幌で起きたとある殺人事件。容疑者にされた同僚の警官の無実を晴らそうと影のチームを作り、明日の朝まで真相を突き止めなければならないというもの。事件には道警の汚職が絡らみ、警察全体を巻き込んだ大きな騒ぎになっていく。チームをつくりメンバー各自が一芸を持っている。タイムリミットがある。警察内部の陰謀と策略。組織と戦うチーム。ってあたりで映画にするにはすごい魅力的な話だね。映画化は納得。でも、しょぼい映画になってしまう可能性もあるなあ。いっそハリウッド化すればいいのに。

話自体はかなり大げさで、そんなことありえないだろう!って思うかもしれない。いや実際思ったよ。でもさ、数年前の道警の汚職事件をよく思い出してみると、けっして大袈裟じゃないんだよね。実際はその一連の事件がこの話のベースになっているみたいで、モデルもいるみたい。道警の実際の事件に興味ある人はこれを見て。
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/housyouhi/document/

こんなのも:
ttp://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2006/01/post_2782.html

魅力的な人物が多いんでぜひシリーズ化して続けてほしいね。ちなみにシリーズ続編は「警察庁から来た男」。なお、単行本が出た当時は「うたう警官」だったけど、文庫化した時に「笑う警官」に改題しだみたい。映画のタイトルも「笑う警官」らしい。

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