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February 26, 2008

「雪月夜」

単行本でたのが2000年だから、まだ初期のころの暗黒面全開の馳 星周作品になるのかな。文章もそんな感じで今とちょっと違う。「不夜城」の流れをくんでいるけど、舞台が歌舞伎町でなく北海道の根室ということもあってかなり叙情的。静の中の暴力。

根室の納沙布岬から見える歯舞諸島を見ると国境という言うものを意識せずにはいられない。宗谷岬とともに日本から他の国が見える数少ない場所。二つとも、加えて領土問題が絡んでいるので、他国の領土なのか自国の領土なのか分からない複雑な思いが岬から観ていてわき起こる。学校の授業でロシア語を教えるところが多く、それほど根室とロシア人の付き合いは深いらしい。おれは2,3回バイクで行ったことがあるけど、繁華街や港に出てないせいかロシア人見たことないなあ。花咲ガニはまじうまいぞ!

北の小さな町の描写はやっぱうまい。さすが道産子。その雪に覆われた厳寒の街の中で、ロシア人を巻き込んで鬱屈した欲望が交差する。ラストは馳さんらしいかな。でもおれにはやっつけ仕事みたいに思うことも。でもそれまでの流れが面白いし、人間がだれでも持っている負の要素が爆発している部分に引かれてしまう。つまり、おれ自身持っている暗黒面と登場人物のそれがシンクロするんだよ。フィクションの世界だと、おれも彼らと同じような行動をとっていてもおかしくないわけ。でもまあ、格差社会の上の人たちには、違う人種たちによる見世物的な世界に映るんだろうね。

にしても、根室の人たちは、これよんでどう思ったんだろう。

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February 12, 2008

「あの夏、風の街に消えた」

若くて青い主人公が経験する甘く切ない物語なんかを読むと、どんなに自分と共通点がなくても自分の昔を振り返って無性に懐かしくなったりする。その思いが強くなると、過去に逃避するということになりかねないわけで、だから精神が弱っているときにそういう作品を読むのは危険だって思ったりする。おれの場合、過去を懐かしんでもそこから何も生まれないことはわかってしまったので、ノスタルジーという感情には適度な距離感を常に持ってしまっている。まあ、ある種醒めた人間になってしまったということだね。

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February 06, 2008

五年の月日

先月の一月で日本に帰国して、丸五年がたった。あっという間の五年だった。帰国した年はやることなすことすべて裏目に出て最悪な年だったと思った。でも今振り返ると、だめだったのは自分の行動に問題があっというのがよくわかる。余裕がなかったんだろうね。焦って生きていた気がします。そのあとはいろんな仲間が増え、忙しいものの濃い人生を送っている気がします。不思議なことに同年代の友人がどんどんいなくなって、いまでは2,3人しかいないかもしれません。どういうわけか友人は10、20代の人間ばっかです。つまりこれからの人間と、これまでの人間という組み合わせです。同世代のみんなはどこ行ったんでしょう。

まあ、おれの年になるとたいてい家庭もって、仕事と家族中心の生活になるのだから疎遠になるのは仕方がないのでしょう。そうして帰国して五年。いつの間にか40を過ぎてしまい、すっかりじじいになってしまいましたが、そうなるとやっぱ今の生活でいいのかって疑問が出てきますね。ってか将来がものすごく不安になる時がやっぱありますよ。周りが未来ある若者ばっかだし。10年後おれはどうしているのだろうね。どう考えてもダメ人間に属しているのだから、どうにかせんとって思っているわけです。まあ考えているだけですが。でも疲れるから考えるのもやめた。来年真剣に考えよう。

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