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November 29, 2004

見世物小屋

この前書いた、警察署でのことはなかなか面白いエピソードなんかもあるのですが、俺でなく友人が直接関わりあっているため、ここで書くことは控えます。もうしわけない。結局警視庁24時的な状況から開放され、家に帰ってのは午前三時頃でした。

酉の市で、遅れましたが、花園神社の今年最後の酉の市、三の酉に行ってきた話です。境内を通るといきなり極道の集団がいて新宿らしい情景が広がっていました。平日の前夜祭のせいか思ったよりは混雑していない。軽くお参りをして目的の見世物小屋へ。蛇女のおみねさん、蛇をむしゃむしゃ食べ火を噴きます。でもかなりのおばあさん。よれよれしてます。見ていて心配になってくるよ。しかも箱を運んだりしてスタッフのような仕事もしているし。人手不足なんだね。全員が高齢化していて、後継者がまったくいないんだなって実感させられる。もう日本で一軒になってしまった見世物小屋、来年も見られるんでしょうか。おみねさんの寿命しだいでしょう。

見世物小屋はガキのとき、実家の近所の中島公園で毎年開かれていた北海道神宮祭でよくやっていて、あのことは2,3件あったのかなぁ、結構にぎわっていました。一度だけしか観たことがなかったんだけど、其の時のいやな思い出があって、以来行ってませんでした。その時のこととは…親父とその祭りに行ったときのこと…

小屋の前での雰囲気や小窓から覗くショーの模様を見ていて、見てみたいと親父に言ったら、「行って来い」といわれ金も持たず一人で小屋の中へ入っていきました。もしかしたら同じ蛇女かもしれない。見世物小屋は通常は入れ替え制で、帰る時に金を払うんだけど、ガキの俺はそのことがよく分からず、ショーが終って金を払って出て行く客をみて、初めて金が必要だと言うことに気がつきました。当然金を持っていないから出るに出られず、お祭り=ヤクザの図式があった俺は怖くて怖くて、舞台が終わってもそのまま居残っていました。そして、次のショーが始まる。

このまま一生この小屋の中に俺はいるのか?そんな不安がよぎり、「どうしよう…どうしよう…」と心の中でつぶやいていました。二回目のショーはまったく見る余裕なんてありません。もう汗だらだら、心臓バクバク。そして悩んでいるうちに二回目のショーも終わり、客の流れにあわせて意を決して出る。そのまま人込みににまぎれて逃げようと言う魂胆だった。そして小屋から出ようとする直前、小屋のにいちゃんにつかまる。
「ボク、お金!」
ひぃ!
「い、いくらですか」
「二回見たから二回分○○○円ね」
ひひぃ!チェックされていた!突然怖くなった俺は、出店でさっき買ったばかりのペン型ライトを置いて「外にでてお金もらってきます。これ置いてきますから」そういって涙目で親父のとことに走り、金をもらって戻ってきた。多分ただで外に出してもらえないと思い、担保代わりにライトを置いていったのだろう。金を持って戻ってくると、「ライト落っこっちゃたよ」と言われ、見るとライトは地面の上で壊れていた。俺はそのにいちゃんが怒ってライトをぶち壊したんだと思った。そしてライトを拾い、泣きながら親父の下に走っていったのだった。今考えると金を持たせず中に入れたクソ親父は殺しもんだが、あれがトラウマとなり見世物小屋にはよい印象を持っていなかった。

見世物小屋の看板あれから30年近くたった今、二度目の見世物小屋を経験したんだけどさすがにもう世の中のことも分かっているし、そんなトラウマも当然ない。消え行く見世物小屋の灯に幼少時代の郷愁を重ねつつ、この俺は蛇女おみねさんを見る余裕があったのである。大人だよ、俺も。今じゃこの寺山チックなアングラワールドが好きになってきた。もっと早く見ればよかったな。いつまでも元気でね、おみねさん。来年も会いましょう!

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