July 15, 2008
July 06, 2008
「悪の華」(新堂 冬樹)
ブックオフで500円で売っているのを見つけ、やった!と思っていたら、残り200ページというところで外に置き忘れてしまった。それで再び新品を900円で買うという、失態をしてしまったおれ。
自分を責める以外ない。おれはよく本をいろんなところにおいてきちゃうんだよね。買い物してレジで財布取り出すために手に持っていた本を置いてそのままレジを後にしたり、荷物をバックに入れるのに中の本をいったん取り出し、そのまま入れ忘れたりとか。愚かすぎます、おれ。この前読んだ「枕女優」とちがって、ノアール全開のこの作品。でも馳作品の人物のような劣等感で鬱屈し、社会に溶け込めない、ともすれば文学的な絶望感というより、登場人物はハードボイルドのようなアウトローたち。みんなあまりにも性格が極端で、片桐の、おれは若いころ空手家五人を素手で倒したことがある、なんていう虚勢はもうギャグにしか見えない。主人公ガルシアが日本に逃げてきて、たった一年でおれがわからないようなとても難しい単語を使い、作家が書いたような流暢な言い回しで日本語をしゃべるのも、あれ?ってかんじ。ちょっとやりすぎでは?まあ、そんなことどうでもよいですね。
もっとどろどろして救いようのない話かと思ったら、かなり一般受けしそうな感じです。映画にもできそう。とくに後半の上海、福建マフィア、やくざ、主人公たちの戦闘シーンは面白い。まさに手を汗握るって感じ。もう、ここ読むためにそれまでの数百ページがあるって感じ。ところでこの作品には続編「聖殺人者」が出てます。シリーズ化するかな。もちろん読むよ。
でもこれもみんなのいう新堂ワールドではないんだろうね。ということで傑作といわれているひとつ「ろくでなし」を読みます。
July 01, 2008
「警察庁から来た男」 (佐々木 譲)
「笑う警官」に続く、道警シリーズ。今回も汚職がからんだ事件が展開される。津久井や佐伯も再び登場。
おれは「笑う警官」よりこっちのほうが面白いと思ったよ。二つの捜査の状況が交互に繰り返されるので、場面の切り替えも面白いし。でも前作を読んでおいたほうが分かりやすいだろうから、「笑う警官」を読んでおいたほうがいいかもね。今回はススキノの風俗街が出てきて、おれの実家の近所だからやっぱ望郷の念に読んでいて駆られるね。ラストのシーンは帰省の際必ず行くところだから、情景がどの部分よりリアルに頭に描かれる。
ドロドロ感がなく、軽快でさっぱりした感じなので、ノアールばかり読んでいた俺には精神衛生上こういうサスペンスも必要だよ。できればシリーズ化して欲しいな。
文庫版もでてるよ。
June 30, 2008
June 23, 2008
「四畳半神話大系」(森見 登美彦)
大学入った時ってさ、ものすごい希望にあふれてるじゃん。楽しい友人に恵まれ、すてきな彼女ができ、毎日が刺激的なキャンパスライフ。校舎を出たとき目に入る沈む夕日。夕闇に溶けていくキャンパスの森をバックに彼女と二人恥じらいながら手をつなぎ…と、これから始まるであろう新しい生活にわくわくするよね。でも、いったい何人がそんな夢のような生活を実現した?ほとんどの男はそんな幻想を夢見つつ、夢見たまま卒業していくんだよ。そしてもしあの時こうしていたら、もしあのときあのサークルに入っていたら、って仮定法過去完了で大学時代を顧み、仮定法の中で妄想していく。たぶん昭和の大学生の男どもは大半はこんなもんだろう。いや、そうであってほしいね。モテ系不要。おれが学生時代、学校の近所の4畳半一間に下宿しているやつがいて、よくそいつの家
でこたつに入りテレビを見ながらぼうっとしていた。クラブで遊ぶ人種より、そういった奴らにおれは親近感を覚える。
「四畳半神話大系」、おれの鬱屈した大学生活を思い出され、懐かしくなった。昭和に大学生活を送った人は読んでみるよろしい。森見さん独特の遠まわしでひねくれた文体に最初は慣れなかったけど、読み進めていくうちに気にならなくなってきた。でもこの主人公、傍から見ると結構素敵なキャンパスライフ送っているんだよな。それがむかつく。
いくつかの短編で成っていて、一つ一つのエピソードがパラレルワールドになっている。そして形而上学的になっていき…後は秘密。
でもこれ読むと、やっぱ一人暮らししたかったなあって思う。








